2007 Fiscal Year Annual Research Report
拡張磁気流体モデルにおける流れをもつプラズマのトロイダル平衡に関する研究
Project/Area Number |
18740358
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
伊藤 淳 National Institute for Fusion Science, シミュレーション科学研究部, 助教 (70413987)
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Keywords | プラズマ平衡 / 電磁流体力学 / 拡張磁気流体 / 二流体MHD / 磁場閉じ込め / 核融合 / プラズマ物理 / シアー流 |
Research Abstract |
前年度に用いたモデルにおける圧力の非等方性は、磁力線に対して平行方向と垂直方向で異なる値をもつ対角的な圧力テンソルによって表されるものであったが、このモデルはイオン温度がゼロの場合に相当し、核融合プラズマなどに用いるためにはイオン温度を考慮に入れる必要があった。今年度は、イオン温度が有限であることから現れるラーマー半径効果によるジャイロ粘性を表す圧力テンソルの非対角項を含んだ二流体モデルを用いて流れをもつ軸対称平衡の解析を行った。流れをもつ高ベータ軸対称トロイダル平衡における有限イオン温度の効果を詳しく調べるため、2つの異なるオーダーの流れに対して簡約化された平衡方程式を導出した。理想MHDの場合にポロイダル流速がポロイダルアルヴェン速度と等しくなるときに現れる特異点の位置が、イオンのジャイロ粘性の効果によってずれることを明らかにした。また、ポロイダル音速と等しくなるときの特異性を含む簡約化方程式系を、まず理想MHDにおいて高次の項まで考えることで導出して解析解を求め、有限イオン温度効果を導入するための拡張が可能なモデルを構築した。次に、実際に有限イオン温度効果を含んだ平衡方程式を導出し、ポロイダル音速程度の流れに対してはジャイロ粘性だけでなく反磁性熱流束の高次の項が現れるため、ポロイダルアルヴェン速度程度の流れの場合とは異なりイオン温度効果の役割は式の上では明確には表されないことが示された。この定式化によって数値解析がより重要となる複雑な微視的効果を含む方程式系が得られ、これを数値的に解くための有限要素法を用いたコードを開発した。
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Research Products
(6 results)