2008 Fiscal Year Annual Research Report
拡張磁気流体モデルにおける流れをもつプラズマのトロイダル平衡に関する研究
Project/Area Number |
18740358
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
伊藤 淳 National Institute for Fusion Science, シミュレーション科学研究部, 助教 (70413987)
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Keywords | プラズマ平衡 / 電磁流体力学 / 拡張MHD / 二流体MHD / 磁場閉じ込め核融合 / トカマク / プラズマ物理 / シアー流 |
Research Abstract |
平成20年度は、前年度に導出したポロイダル音速程度の流れをもつ高ベータトカマクプラズマの平衡を表す簡約化方程式系の解について詳細に解析した。まず、この方程式系の一流体極限に対して線形プロファイルを仮定することで得られる解析解を用いて、有限イオン温度効果をもつ二流体平衡と比較するための流れをもつ一流体平衡理論を構築した。ポロイダル流による磁気軸のプラズマ中心からのずれや、圧力の最大値を与える点の磁気軸からのずれ、および高ベータによる平衡限界の変化に関する解析的な表式を示し、これらから、ポロイダル流速がポロイダル音速より大きい領域で磁気軸のずれが流れによって増幅され平衡限界を超える領域が存在することを明らかにし、また流れによる圧力の等値面の磁気面からのずれの機構を遅い磁気音波とトロイダル性によって起こるgeodesic acoustic modeの機構との類似性によって説明した。このような音波の機構を含む圧縮性と磁場の変形の両方を伴う流れをもつ高ベータトロイダル平衡に対する解析解はこれまでにない新しいものである。次に、有限イオン温度効果をもつ二流体モデルにおける平衡の解析を行った。有限要素法を用いた数値解析において、二流体効果による反磁性流が引き起こす流速の特異点のずれとジャイロ粘性による相殺効果の両方が存在することで正則な解が得られた。磁気面と等圧力面そしてイオンの流れ関数の数値解とそれぞれの軸に対する解析的表式によって、これらの等値面が一致しないということと、電場の符号に対して非対称であるという流れをもつ二流体平衡の特徴と反磁性流の大きさとの関係を明らかにした。また、これらの研究成果を、Joint Varenna-Lausanne International Workshop on "Theory of Fusion Plasmas"における招待講演で発表した。
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Research Products
(8 results)