2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18749001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
西澤 道知 弘前大学, 教育学部, 助教授 (20318801)
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Keywords | 可積分系 / 特殊函数論 |
Research Abstract |
本申請課題では、「1.多重楕円ガンマ函数やそれと関連する函数の保型性」、「2。直交多項式の構造を記述する代数」を研究することを計画した。それらに関連し、今年度は、以下のような研究を行った。 1.Barnesの多重ガンマ函数のGauss積、Euler積と呼ばれる無限積表示の証明を、2004年度に報告した時点より改良し、簡素化することに成功した.この証明のために導かれた多重ベルヌーイ多項式に関する関係式は、本研究課題の目的のひとつである多重楕円ガンマ函数の保型性の考察に関して、様々な示唆を与えるものであると期待される。この研究成果に関しては、現在、論文を準備中である。 2.2階の加法的な線型差分方程式を満たす直交多項式のクラス、特に、continuous Hahn多項式の構造を記述するような代数を、楕円ヘッケ代数からのパラメタの退化により決定するため、様々な試みを行った。この問題に関しては、現在も研究が進行中である。 また、本科研費を用いて、小山工業高等専門学校から森田英章氏をお招きして、パラメタが1の冪根の場合のMacdonald多項式の性質と、その表現論的な背景について情報提供をいただいた。これは、今後の申請者の直交多項式の代数構造の研究に関し有益であった。 今年度は本申請課題の初年度ということもあり、情報収集による当該分野とその周辺の研究状況の把握や、問題解決のアプローチを定めるための試行が活動の中心となった。それらは、まだ、研究論文、学会発表という形を取っていないが、次年度以降の研究にとって、非堂に重要なステップであったといえる。
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