2007 Fiscal Year Annual Research Report
光周波数コムを利用した分子スペクトルの超高精度測定の研究
Project/Area Number |
18750019
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
御園 雅俊 Fukuoka University, 理学部, 准教授 (40314471)
|
Keywords | 光周波数コム / 分子スペクトル / 超高分解能 / 超高精度 |
Research Abstract |
高精度な光周波数の目盛である光周波数コム、高分解能分子分光システムであるドップラーフリー2光子吸収分光システム、それらを組み合わせた光シンセサイザーの開発を行った。 (1)高精度な光周波数の目盛-光周波数コムの開発 光周波数コムは、超短パルスレーザー、フォトニック結晶ファイバー、自己参照システムからなる。まず、超短パルスレーザーを独自に開発した。超短パルス光をフォトニック結晶ファイバーに通すと、モード間隔が一定のままスペクトルが広がっていく。このようにして1オクターブ以上にわたって広がった光周波数コムを得ることに成功した。さらに、自己参照システムによって、その周波数安定化に成功した。 (2)超高分解能レーザー分光システムードップラーフリー2光子吸収分光システム 気体分子の分光においては、その運動に起因するドップラー効果によってスペクトル幅が広がってしまい、分解能に制限が生じる。本研究では、この制限を受けず、量子力学的限界まで分解能を高めることのできる、ドップラーフリー2光子吸収分光システムを開発した。 (3)光シンセサイザーの開発 光シンセサイザーは、光周波数コムを利用して、レーザー分光用の光源の周波数を制御するシステムである。このためには、光周波数コムの出力光と分光光源の出力光の周波数差を制御すれば良い。これらの光を重ねて測定するとビートが観測されるので、このビート周波数を制御する。今年度はこのビートの測定に成功した。さらに、光シンセサイザーを広い周波数範囲にわたって掃引するための技術を開発した。
|