2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒドリンダセン分子を基本骨格とするアロステリック超分子および動的超分子の開発
Project/Area Number |
18750024
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
河合 英敏 北海道大学, 大学院理学研究院, 助手 (50322798)
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Keywords | 超分子 / 分子認識 / アロステリック / マクロサイクル / 動的挙動 / ロタキサン / 分子機械 / 刺激応答性 |
Research Abstract |
1.ヒドリンダセン2量体のサブユニット構造変化に基づくアロステリックシステムの開発 ヒドリンダセンジアミドレセプターの側鎖に相補的な水素結合パートナーであるレゾルシノールを連結した自己2量化モノマーを構築した。この2量体は、アドレナリン分子に対する会合能も有しており、アドレナリン会合に伴い自己2量化が解離することがわかった。現在、この解離プロセスの協同性について調査を行っている。 2.アロステリックレセプターを用いた核形成・伸長プロセスに基づく超会子ポリマーの形成 上記と平行して2つのレゾルシノールユニットを有する超分子モノマーを構築した。このモノマーは側鎖の違いによりCDCl_3中に対する溶解度が異なることがわかった。溶解度の高い誘導体は溶液中で分子内会合を優先していることが確かめられたが、固相中では目的とした協同的な会合様式に基づく1次元ポリマー鎖を形成していることがX線構造解析により確かめられた。現在、溶液中での核形成-伸長プロセスに伴う超分子ポリマー化について調査を行なっている。 3.イミン架橋型ロタキサン分子の可逆的結合形成に基づく動的挙動の制御 イミン架橋型ロタキサンの開発に関し、アルデヒド問距離が異なるいくつかの軸分子を合成し、イミン結合形成に基づくスレッディング能を調査した。いずれの軸分子においてもスレッディングは進行し、それぞれイミン体のX線構造解析に成功した。また、ステーションを複数有するロタキサンの構築にも成功し、現在、加水分解に伴うシャトリング能について調査を行っている。 4.双極子反転機構に基づく回転応答型分子の構築 (Z)-ヒドリンダセンジニトリル体が持つ双極子を利用した刺激応答型回転分子の構築を検討した。F置換芳香環を近傍に配置することでヒドリンダセンユニジトの配向を一方に偏らすことが可能となった。これらユニットを配したマクロサイクルの構築にも成功した。
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Research Products
(7 results)