2007 Fiscal Year Annual Research Report
多孔質層を用いた超高感度表面プラズモン共鳴センサーの開発とDNA検出への応用
Project/Area Number |
18750058
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 央 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 助教 (10359531)
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Keywords | レーザー分光分析 / 表面プラズモン共鳴 / バイオセンサー / 陽極酸化アルミナ |
Research Abstract |
表面プラズモン共鳴(SPR)分光法は,金属薄膜表面にセンシングレイヤーを形成し,検体試料の吸着に伴う金属薄膜表面の屈折率変化をSPR角度(反射率が最小となる入射角度)シフトとして観測する手法である。SPR分光法では無色・無発光の検体試料のセンシングが可能であることから,ラベルフリーのin-situバイオセンシング手法としてポストゲノム研究におけるキーテクノロジーと位置づけられている。しかしながら,DNAや代謝物など生体小分子の吸着に伴うSPR角度シフトは微小であり,従来の蛍光法やラジオアイソトープ方に比べてSPR分光法の感度は低く,SPR応答の高感度化はバイオセンシング開発における最も重要な課題の一つである。そこで、本研究では,「多孔質層をセンシングレイヤーとしたSPR分光法の超高感度化」を目的とし,超高度化へ向けた多孔質層形成手法の確立とDNAセンシングへの応用を行った。 本年度は、陽極酸化による多孔質アルミナとアルミ積層膜の形成条件を確立し、自作のSPR測定系を用いてその反射スペクトル測定を行った。グリーンヘリウムネオンレーザーを光源とした測定では、フレネル計算で予測されたとおりに反射率減少ディップが現れること、屈折率変化に対して鋭敏に応答することを確認した。さらに、光源を白色光とした測定系を用いることで、反射率減少ディップの出現波長と入射角度についての理論的・実験的検証を行った。得られた結果は、目的とする手法が高感度検出手法として機能しうることを示した。
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