2006 Fiscal Year Annual Research Report
スラブ光導波路化学センサーの電位制御による高機能化
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18750059
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
堀田 弘樹 群馬大学, 工学部, 助手 (80397603)
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Keywords | 光導波路 / ポルフィリン / メチルレッド / ITO電極 / アスコルビン酸 / pHセンサー |
Research Abstract |
薄板ガラス(〜150μm)上に透明電極(ITO)を蒸着させ,その上に機能性分子固定化のための反応基であるエポキシ基を有するポリメタクリル酸薄膜を作製した。ポルフィリンまたはpH指示薬であるメチルレッドを,この膜に共有結合的に固定化させ,センサー素子とした。これを導波層とする光導波路装置を組み,導波層表面の分光測定を行うと同時に,導波層表面の電位を3電極式ポテンショスタットを用いてコントロールした。導波層の上にテフロン製のフローセルを乗せ,試料を送液・検出できるように設計した。i)ポルフィリンの膜への固定化は,サイクリックボルタンメトリー測定により確認できた。このポルフィリン固定化膜に対して,Cuなどの重金属を含む溶液を送液したところ,電位非制御時・電位制御時共に錯形成に伴うソーレー帯吸収の変化を観察することが出来なかった。ii)一方,メチルレッドを固定化した場合,溶液のpH変化に対して吸光度の変化が顕著に表れ,pHセンサー(H^+センサー)として充分に機能していることが分かった。この膜を用いてアスコルビン酸酸化反応時の電極表面のpH変化の観察を試みた。アスコルビン酸の電解酸化によるH^+放出に伴う,電極表面のpH減少が観察された。このpH変化は,電解酸化に伴いH^+を放出しないフェロシアンでは観察されず,またアスコルビン酸の濃度に依存することも分かった。また緩衝液中では,pHが一定に保たれるため,電極表面のpH変化が観察されなかった。このように電解反応時の電極表面pH変化のin situ測定が可能な電極型スラブ光導波路pHセンサーを開発することに成功した。
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Research Products
(1 results)