2006 Fiscal Year Annual Research Report
メソポーラス担体を分離場とした分子ふるい・イオン交換型クロマトグラフィーの開発
Project/Area Number |
18750060
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
森 勝伸 群馬大学, 工学部, 助教授 (70400786)
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Keywords | イオン交換 / 分子ふるい / メソポーラス / 合成 / 化学修飾 / 分離 / クロマトグラフィー / 無機イオン |
Research Abstract |
【目的】 メソポーラス構造を持つ基材を担体としたイオン分離カラムを新規開発し、環境水の主要成分である無機陰イオン及び陽イオンの高分離・高分解能な高速同時分離システムの確立を目的としている。昨年度は、メソポーラス担体の作成と、それを充填したカラムを用いたときの無機イオン成分の溶出挙動について検討した。 【研究概要】 はじめに、テトラエトキシシランとp-ジブロモベンゼンからグリニアール反応を利用した有機シラン系メソポーラス体のビスフェニルエトキシシランを合成した。得られた化合物を走査型電子顕微鏡で調べたところ、比較的均一な貫通したハニカム構造を持つ約5〜20nmの粒状であることがわかった。次に、これを直径6mm、長さ150mmのステンレスカラムに充填し、さらに陽イオン交換基を導入するためカルボキシル基界面活性剤(デオキシコール酸ナトリウム)を通液・吸着させた。このカラムをイオンクロマト装置に設置し、無機陽イオンの分子ふるい・イオン交換作用を調べた。その結果、陽イオンの分離ピークは確認されたものの、その形状は非常にブロードであり、全体の測定時間も50分と長期化することがわかった。また、メソポーラス体が比較的剛直であり、かつ粒子の大きさがナノサイズと小さいため、カラムへの圧力が非常に大きくなり、耐久性の点において影響があること示唆した。 以上より、有機シラン系をベースとしたイオン交換体の作成は、簡便に合成でき、その充填カラムにより陽イオンの分離も達成できたが、上述した課題が残されており、今後は、メソポーラス体の粒径を大きくしたカラム負荷の軽減や、無機系メソポーラス体(ジルコニア、ゼオライトなど)充填型カラムの作成など、本研究の実施計画に沿って遂行する予定である。
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Research Products
(1 results)