2007 Fiscal Year Annual Research Report
メソポーラス担体を分離場とした分子ふるい・イオン交換型クロマトグラフィーの開発
Project/Area Number |
18750060
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
森 勝伸 Gunma University, 大学院・工学研究科, 准教授 (70400786)
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Keywords | 国際情報交換(ポーランド) / クロマトグラフィー / 分子ふるい / メソポーラス / イオン / 分離 / 合成 / 修飾 |
Research Abstract |
【目的】本研究の目的は、孔径数nm〜数十nmのメソポーラス構造体を担体としたイオン交換カラムを作成し、環境水の無機成分の高速分離分析法の確立である。前年度はメソポーラス担体イオン交換基の作成並びに無機成分の分離挙動について検討した結果、有機シランを基材としたイオン交換体の作成が可能となり、イオンの相互分離も確認することができた。今年度はメソポーラス体の調整とイオン種の溶出挙動について検討した結果を報告する。 【結果】有機系メソポーラス体の調整:既報^<1)>に従い合成した有機メソポーラス体のビスフェニルエトキシシランの粒子を篩い分け、各粒径ごとのメソポーラス構造の均一性を調べた結果、粒径10nm前後のものが最も均一なハニカム構造になることが分った。次に、メソポーラス体をカラム(4mm ID×2cm)に充填し、その性能評価を行った結果、高流速条件(1〜10mL/min)でもカラム圧が急激に上昇することなく、耐久性の面で我々が以前手がけたモノリスシリカカラムの性能2)と遜色ない結果を得ることができた。 分子ふるい・イオン交換分離:作成したカラムと酸溶離液を組合せた無機陰イオン、有機酸及び無機陽イオンの同時分離を行った。通常の陽イオン交換樹脂カラムを用いた同時分離では、溶出順が陰イオン、無機陽イオンとなるが、本カラムを用いた場合では、有機酸(酢酸)やサイズが大きい陰イオン(過塩素酸イオン)が、無機陽イオンよりも後に溶出することが分った。また、ポーランド・シュレジアン大学との共同より本研究の分離機構について検討したところ、分子サイズの大きい陰イオンの分離は、イオン交換作用だけでなくイオン排除作用も加味されていることを突き止めた。今後、本研究成果を導入した分子サイズ分離型イオンクロマトグラフィーの確立と水中の過塩素酸及びヨウ化物イオンの同時計測に応用したい。 【文献】1)Inagaki, et. al., J. Am. Chem. Soc. 1999,121,9611.2)Xu, et. al., Chromatographia, 2003,57,19.
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Research Products
(4 results)