2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18750062
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西 直哉 京都大学, 工学研究科, 助手 (10372567)
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Keywords | イオン液体 / イオン性液体 / 常温溶融塩 / 非線形分光 / 液液界面 / 第二高調波発生 / SHG / 配向 |
Research Abstract |
本年度は、(1)第二高調波発生法(SHG法)を用いて、イオン液体|水界面におけるカチオンの表面密度・配向を評価し、また、(2)電気毛管測定(界面張力の界面電位差依存性)を同時進行させ、イオン液体|水界面のマクロスコピックな物性を評価した。 (1)については、まず、SHG活性が非常に高い1-Alkyl-4-phenylpyridiniumカチオンからなる新規イオン液体を見出した。カチオンのアルキル鎖長やアニオンのサイズを系統的に変化させてイオン液体を調製した。カチオン、アニオン、温度を変化させてSHG測定を行い、カチオンのイオン液体|水界面およびイオン液体|気体界面における配向のばらつきが系統的に変化することを見出した。また、界面電位差依存性についても検討を行い、制御した数百mVの範囲では、カチオンの配向および表面密度に変化が現れないことがわかった。 (2)では、界面活性なカチオン1-Alkyl-isoquinoliniumから構成されるイオン液体の場合に、水中の親水性アニオンがイオン液体|水界面に特異吸着する挙動を見出した。アニオンの疎水性を系統的に変化させ、イオン液体構成カチオンと親水性アニオンの界面における親和力がHoffmeister系列に従うことを見出した。また、上述の1-Alkyl-4-phenylpyridiniumカチオンから構成されるイオン液体では、親水性アニオンの特異吸着は見られず、4位のphenyl基が特異吸着を阻害していることが示唆された。
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