2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリコバクター・ピロリの感染診断のための呼気中アンモニア分析装置の開発
Project/Area Number |
18750064
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
小谷 明 Tokyo University of Pharmacy and Life Science, 薬学部, 講師 (40318184)
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Keywords | 分析化学 / 電気化学 / H. pylori / 尿素呼気試験 / アンモニア / フローインジェクション分析 |
Research Abstract |
H.pyoliの感染診断法である尿素呼気試験法は、被験者に13C標識尿素を経口投与し、H.pyloriが産生するウレアーゼにより生成する^<13>CO_2を測定し、感染の有無を判定している。この呼気試験は、13C標識尿素や赤外分光装置を用い汎用されているが、非標識体の利用や低価格の装置開発が望まれる。尿素投与後の呼気中アンモニア濃度とH.pylori感染の相関は認められているが、信頼性に優れた呼気中アンモニア濃度の分析法がなかったため、H.pyloriの感染診断への適応には至っていない。 本研究では、「トコフェロールの電解酸化に基づく弱塩基物質の定量法」を活用し、呼気中アンモニア濃度を測定する小型センサーと自動分析装置を開発し、H.pyloriの感染診断を安価かつ正確に行える手法として確立を試みた。 本年度は、呼気中アンモニア濃度を電気化学検出-フローインジェクション分析(FIA-ECD)で測定するために、呼気の採取方法及び試料溶液の調製法について検討した結果、以下のプロトコールを考案できた。 すなわちNaCl水溶液を入れた呼気捕集バック(テドラーバック)に呼気を吹き込んだ後、回収した呼気とNaCl水溶液を充分に混和させた。この液をトコフェロール含有電解質溶液で希釈し、FIA-ECDでアンモニア濃度を測定した。 0.45ppmのアンモニアを含む呼気試料を用いた添加回収試験を行ったところ、回収率は99.8%(RSD=1.8%,n=3)であった。従って、本法は呼気中アンモニアを測定する上で充分な感度と精度を有することが分かった。また、この呼気採取方法は、バック内に0.5L程度の呼気を吹き込むだけでアンモニア濃度が測定可能であるので、被験者の負担が少なく、幅広い年齢層に適応できると考えられる。
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Research Products
(4 results)