2007 Fiscal Year Annual Research Report
生物結合モデルに基づく土壌環境中の重金属の植物に対する有害性予測
Project/Area Number |
18750069
|
Research Institution | Tokyo National College of Technology |
Principal Investigator |
庄司 良 Tokyo National College of Technology, 物質工学科, 准教授 (30332000)
|
Keywords | 重金属 / 植物毒性 / 複合暴露 / スペイエーション |
Research Abstract |
(研究目的) 生物結合モデルという有害重金属の水生生物に対する影響を予測するモデルを陸生生物に発展させたTBLM(Terrestrial Biotic Ligand Model)を開発し、日本の土壌への適用可能性を検討することを本研究の目的とし、複数の重金属の複合汚染に対しての適用可能性を検討し、複合毒性モデルを組み合わせて複数の重金属に対応できるモデルを開発することを目的とした。 (研究方法) 土壌の採取後、乾燥・破砕・篩い分けなどの前処理を施し、土壌分析を行った。分析項目として、含有重金属量、有機物量、水分保持容量、土壌pHなどを検討した。本研究で評価の対象とする銅一定量濃度をふりながら添加し、酸性度を調整した。OECDテストガイドライン208に従って陸生植物生長阻害試験を各土壌試料に対して実施した。陸生植物としては一般的に良く用いられている冬麦を使用した。試験後の植物試料並びに土壌試料について残存重金属量を測定すると共に、土壌溶液を抽出して、対象重金属の活量とpHの測定を行った。重金属の分析にはICP-AESを用いた。平成19年度では、対象重金属として銅に加えてランタンを検討した。銅とランタンが複合的に暴露された場合の冬麦に対する植物毒性を評価し、更に植物体内に蓄積された重金属量を測定した。 (研究成果) 銅とランタンを単独で暴露した場合の植物に対する有害性試験結果から、それぞれの重金属と植物体表面に存在するリガンドとの結合定数を算出し、得られた結合定数を利用して銅とランタンが同時に暴露された土壌における植物への有害性を予測した結果、TBLMの概念の適用により植物毒性を相関性高く予測することが可能となった(R^2=0.924)。
|