2006 Fiscal Year Annual Research Report
直接的グリコシル化反応を利用する立体選択的デオキシオリゴ糖鎖の迅速合成法の開発
Project/Area Number |
18750079
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 浩士 東京工業大学, 理工学研究科, 助手 (40334544)
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Keywords | グリコシル化反応 / 立体選択的 / ケミカルプローブ / 天然物 / オリゴ糖 / ベンジルスルホニル基 / 酸化的活性化 / ヨウ素 |
Research Abstract |
2-デオキシオリゴ糖は、生物活性天然物の中に多く見られる糖鎖であり、生物活性発現に重要な役割を果たしていることが知られている。私は、デオキシオリゴ糖鎖は新規生体制御物質の創成のための有用なテンプレートになると期待した。しかし、これら2-デオキシ糖は、通常の糖鎖と異なり電子吸引性置換基が少なくなっているために、そのグリコシド結合の酸性条件での安定性が低下していることが知られている。特に、βグリコシド結合は、酸性条件下容易に、熱力学的に安定なαグリコシドへ異性化もしくは、加水分解を受ける。また、2位の置換基が無いため隣接基効果を利用した立体選択的グリコシル化反応を行うことも困難である。本研究では、直接的グリコシル化反応を基盤とする効率的なデオキシオリゴ糖鎖の合成法の開発を目指した。本年度は、2-デオキシ糖のβ選択的グリコシル化反応について検討した。まず、2、6-デオキシグルコースを用いて条件検討を行った。その結果、2-デオキシイミダート糖をトルエン溶媒中、触媒量のトリエチルシラン存在下、ヨウ素で活性化すると、立体選択的に2-デオキシβグリコシドが合成可能であることを見出した。その際、電子吸引性のベンジルスルポニル基を4位の保護基として有する糖供与体が、高β選択的グリコシル化反応が進行することを明らかにした。本手法は、水酸基の立体化学の異なる単糖のグリコシル化反応にも適応可能であることを見出した。他の本手法を用いることにより、直接的グリコシル化反応を用いるテトラーβ-2-デオキシグリコシドの立体選択的合成に成功した。
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Research Products
(1 results)