2006 Fiscal Year Annual Research Report
ロジウム触媒を用いる連続的な炭素-炭素結合生成反応の開発
Project/Area Number |
18750084
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三浦 智也 京都大学, 工学研究科, 助手 (10378804)
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Keywords | ロジウム / フェニルボロン酸 / 触媒反応 / 環化反応 / 炭素-炭素結合生成反応 / カスケード反応 / ロジウムエノラート / β-エナミノエステル |
Research Abstract |
本年度は、ロジウム触媒による連続的な炭素-炭素結合生成を経由する2つの反応、(1)β-エナミノエステルの合成反応、(2)1,6-エンインのメチル化を伴う環化反応を開発することが出来た。 1,メトキソ(1,5-シクロオクタジエン)ロジウム(I)ダイマー(5mol%)存在下、ニトリル部位を有する不飽和エステル化合物と2当量のB-Ph-9-BBNをトルエン中110℃で加熱したところ、β-エナミノエステル誘導体が高収率で生成した。ロジウムがβ-Ph-9-BBNと金属交換して生成したフェニルロジウム種が不飽和エステルに1,4-付加してロジウムエノラート中間体を与える。続いて、ロジウムエノラート中間体がニトリル部位へ求核付加した結果と考えられる。また、1,5-シクロオクタジエン配位子に代えて不斉配位子として(R)-H_8-BINAPを用いると、高い鏡像体過剰率で生成物を与えた。 2,クロロ(1,5-シクロオクタジエン)ロジウム(I)ダイマー(2.5mol%)存在下、アリルエーテル部位を有する1,6-エンイン化合物と3当量のメチルマグネシウムクロリドをテトラヒドロフラン中50℃で加熱したところ、ビニルシクロペンタン誘導体が高収率で生成した。ロジウムがメチルマグネシウムクロリドと金属交換して生成したメチルロジウム種が基質のアルキン部位に1,2-付加してアルケニルロジウム中間体を与える。続いて、アルケニルロジウム中間体が分子内のアルケン部位に付加した後、β-酸素脱離により生成物が得られると同時に触媒活性種である1価ロジウム錯体が再生すると考えられる。
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Research Products
(5 results)