2007 Fiscal Year Annual Research Report
立体構造の制御された感熱応答性ポリマーをセグメントとする新規高分子アーキテクチャ
Project/Area Number |
18750102
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
平野 朋広 The University of Tokushima, ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (80314839)
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Keywords | 感熱応答性ポリマー / ラジカル重合 / 高分岐ポリマー / 立体規則性 / 水素結合 |
Research Abstract |
ヨウド酢酸エチル/シクロペンタジエニル鉄ジカルボニルダイマー/ヨウ素を開始剤とし、低温でN,N-ジメチルアクリルアミド(DMAAm)のラジカル重合を行ったが、リビング重合性を確認することはできなかった.しかし、RAFT試薬存在下でUV照射するとDMAAm重合がリビング的に進行し、得られるポリマーの分子量をある程度制御できることがわかった.さらに、この重合系に酒石酸エステルを添加するとシンジオタクチシチーが増加することも見出した. また、N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)の重合でシンジオタクチック特異性誘起に有効であったヘキサメチルホスホラミドおよび3-メチル-3-ペンタノール存在下、N-メチル、N-n-プロピル、N-ベンジルアクリルアミドの重合を行い、シンジオタクチックポリマーを得ることに成功した。ラセモ2連子含量70%のポリ(N-n-プロピルアクリルアミド)の水溶液について相転移挙動を調べたところ、昇温時には約25℃で不溶化するものの、降温時には10℃まで下げても再溶解しないという大きなヒステリシスを示すことがわかった.これはポリ(NIPAAm)が可逆的な相転移を示すのとは対照的な結果である. また、フルオロアルコール存在下N-n-プロピルおよびN-イソプロピルアクリルアミドのラジカル重合を行うと、ヘテロタクチックポリマーが得られることも見出した.シンジオタクチックポリマーとは対照的に、いずれのポリマーも鋭敏で可逆的な相転移を示すこともわかった. 以上の結果より、モノマーや添加剤などを適切に選択することで、立体構造の制御された感熱応答性を有するポリマーセグメントを合成できることがわかった。
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Research Products
(4 results)