2008 Fiscal Year Annual Research Report
立体構造の制御された感熱応答性ポリマーをセグメントとする新規高分子アーキテクチャ
Project/Area Number |
18750102
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
平野 朋広 The University of Tokushima, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (80314839)
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Keywords | 感熱応答性ポリマー / ラジカル重合 / 立体規則性 / 共重合体 / 水素結合 |
Research Abstract |
2, 2, 2-トリフルオロエタノール、1, 1, 1, 3, 3, 3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール、ノナフルオロ-tert-ブタノール存在下、トルエン中低温でN-ブトキシカルボニルアクリルアミドのラジカル重合を行なったところ、添加するアルコールの種類によってアタクチック、ヘテロタクチック、シンジオタクチックポリマーが得られることを見出した. 得られたポリマーをトリフルオロ酢酸で処理することで脱保護反応が定量的に進行し、立体規則性ポリアクリルアミドへの変換が可能であることもわかった. ルイス塩基、アルキルナルコールまたはフッ素化アルコール存在下低温でのラジカル重合で得られたイソタクチック、シンジオタクチックおよびヘテロタクチックポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)[poly(NIPAAm)]の水溶液を調製して相転移挙動を調べたところ、昇温時の相転移は2連子立体規則性によって決まること、降温時の相転移は3連子以上の立体規則性によって決まること、昇温時と降温時の相転移温度の差(ヒステリシス)がメゾ2連子の平均連鎖長によって決まることを見出した. 3-メチル-3-ペンタノール存在下、トルエン中低温でN-n-プロピルアクリルアミド(NNPAAm)とNIPAAmのラジカル共重合を行い、シンジオタクチック共重合体を合成した. 水溶液の相転移挙動を調べたところ、NNPAAm単位が90mol%以上になると明確なヒステリシスを示した. モノマー連鎖分布がヘルヌーイ統計に従うと仮定すると、明確なヒステリシスを示すためには、NNPAAm単位が約10続く必要があることがわかった.
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Research Products
(17 results)