2006 Fiscal Year Annual Research Report
多糖とカーボンナノチューブの超分子融合による新規バイオ・ナノ材料群の創成
Project/Area Number |
18750103
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
長谷川 輝明 東洋大学, 生命科学部, 講師 (90423566)
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Keywords | R-1,3-グルカン / 位置特異的 / 定量的 / 天然多糖 / 化学修飾 / カードラン / NMRスペクトル |
Research Abstract |
我々は天然多糖であるβ-1,3-グルカンの中でも、土壌細菌が産生する多糖としてもっとも安価に市販されているカードラン(側鎖なしの直鎖状β-1,3-グルカン)に注目した。まずはカードランを塩化リチウム存在下N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)中で一晩加熱処理し、難溶性のカードランをDMFに均一分散させることに成功した。次にこのカードランのDMF溶液を室温まで冷却したのち、窒素雰囲気下にてトリフェニルホスフィンを加えてカードラン中の一級水酸基のみを活性化させた。約6時間の活性化の後、四臭化炭素を加えて室温で24時間攪拌することにより、カードランの一級水酸基のみを位置特異的かつ定量的にアジド基へと変換することに成功した。ここで実験開始当初、何度ブロモ化の実験を行っても定量的なブロモ化が困難であることがわかったが、これはトリフェニルホスフィンによる一級水酸基の活性化が不十分であることに原因があることを条件検討によって明らかにし、十分活性化に時間をかけることで、定量的なブロモ化が再現性よく進行することを明らかにした。次にこのブロモ化カードランをジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させ、85℃にて過剰量のアジ化ナトリウムと処理することにより、定量的にアジド化が進行することも確認した。ここでも当初は80℃・24時間の条件でなかなか定量的なアジド化が進行しなかったが、反応温度を85℃に上げ、反応時間も36時間にのばすことで定量的なアジド化が再現性よく進行することを明らかにした。
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