2007 Fiscal Year Annual Research Report
多糖とカーボンナノチューブの超分子融合による新規バイオ・ナノ材料群の創成
Project/Area Number |
18750103
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
長谷川 輝明 Toyo University, 生命科学部, 准教授 (90423566)
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Keywords | セルロース / 位置特異的修飾 / 天然多糖 / 糖鎖高分子 / オリゴ糖 / 生分解性 / 機能性多糖 / クリックケミストリー |
Research Abstract |
天然多糖の中でも、植物の細胞壁成分として天然に大量に存在し、最も安価かつ生分解性の多糖として有用であるセルロースに注目し、これを直接化学修飾することによって有用な高機能性セルロース群を創成することを目指し研究を行った。まずはセルロース(平均重合度280)を塩化リチウム存在下N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)中で一晩加熱処理し、難溶性のセルロースをDMAcに均一分散させることに成功した。次にこのセルロースのDMAc溶液を室温まで冷却したのち、窒素雰囲気下にてトリフェニルホスフィンを加えてカードラン中の一級水酸基のみを活性化させた。約6時間の活性化の後、四臭化炭素を加えて室温で24時間攪拌することにより、セルロースの一級水酸基のみを位置特異的かつ定量的にブロモ基へと変換することに成功した。さらには得られたブロモ化セルロースをDMAcおよびDMSO混合溶媒中にてアジ化ナトリウムと反応させることにより、セルロースの一級水酸基のみを位置特異的かつ定量的にアジド基へと変換したアジド化セルロースを合成することに成功した。ここで実験開始当初、アジド化の反応進行にしたがって溶媒に対する溶解度が低下し、反応溶液の不均一化する現象が見られたものの、反応中の反応溶液にDMSOを適宜追加することにより反応溶液を均一に保ったまま反応を完遂させることに成功した。得られたアジド化セルロースを三重結合を有するオリゴ糖誘導体とクリックケミストリー条件下にてカツプリングすることにより、オリゴ糖を6位に有するセルロース誘導体の合成に成功した。得られたオリゴ糖修飾セルロースは特定にタンパク質と選択的かつ強く相互作用することが明らかとなった。つまり、本研究によって確立させたスキームにより、セルロースにオリゴ糖由来の細胞認識性を付与できたことになる。
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Research Products
(4 results)