2008 Fiscal Year Annual Research Report
多糖とカーボンナノチューブの超分子融合による新規バイオ・ナノ材料群の創成
Project/Area Number |
18750103
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
長谷川 輝明 Toyo University, 生命科学部, 准教授 (90423566)
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Keywords | セルロース / 位置特異的 / 定量的 / 天然多糖 / カーボンナノチューブ / オリゴ糖 / 糖鎖高分子 / ナノ材料 |
Research Abstract |
セルロースは天然に最も大量に存在する生分解性材料であり、持続可能な文明社会の構築に必要不可欠なエコマテリアルである。このセルロースを直接化学修飾することにより、有用な高機能性セルロース群を創成することを目指し研究を行っている。昨年度までの研究により、まずはセルロースを塩化リチウム存在下N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)中で一晩加熱処理しすることで均一分散させ、更に窒素雰囲気下にてトリフェニルホスフィンさらには四臭化炭素で処理することにより、セルロースの一級水酸基のみを位置特異的かつ定量的にプロモ基へと変換することに成功した。またこの後アジ化ナトリウムと反応させることにより、セルロースの一級水酸基のみを位置特異的かつ定量的にアジド基へと変換したアジド化セルロースを合成することに成功した。得られたアジド化セルロースを三重結合を有するオリゴ糖誘導体とクリックケミストリー条件下にてカップリングすることにより、オリゴ糖を6位に有するセルロース誘導体の合成に成功した。得られたオリゴ糖修飾セルロースは特定にタンパク質と選択的かつ強く相互作用することが明らかとなった。つまり、本研究によって確立させたスキームにより、セルロースにオリゴ糖由来の細胞認識性を付与できたことになる。本年度は新たに異なるスペーサー構造を有するオリゴ糖鎖モジュールに加え、核酸やカーボンナノチューブとの認識能を有するデオキシチミジンモジュール、さらには高い水溶性を付与させることを目的にした四級アンモニウムカチオンモジュールなど、様々な機能性モジュールを同時に導入したセルロース誘導体の合成を行った。特にデオキシチミジンモジュールと四級アンモニウムカチオンモジュールを同時に導入したセルロース誘導体はカーボンナノチューブと相互作用し、水溶性の多糖/カーボンナノチューブナノハイブリッドを与えることが分かった。
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Research Products
(6 results)