2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18750111
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉尾 正史 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 助教 (60345098)
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Keywords | 構造・機能材料 / 自己組織化 / 超分子化学 / ナノ材料 / 分子認職 / 電場 / ファイバー / 導電性 |
Research Abstract |
水素結合やπ-πスタッキングなどの分子間相互作用により、溶媒中で一次元分子ファイバーを形成する自己組織性分子が、導電性材料や光学機能材料として注目を集めている。一般に、等方性溶媒中で形成される分子ファイバーの配向はランダムである。もし、形成されるファイバーの配向を電揚により制御することができれば、多方面にわたる機能材料として、分子ファイバーの応用範囲を広げられると考えられる。本研究では、電場存在下、等方性溶媒中で配向したファイバーを形成する自己組織性分子を開発することを目的とした。 水素結合性のアミド部位および電場応答性を示すフッ素置換メソゲン部位からなる自己組織性分子を設計・合成した。この化合物をドデシルベンゼン溶媒に加熱溶解させた後、冷却すると、溶媒をゲル化することがわかった。このゲルを光学顕微鏡で観察したところ、溶媒中でファイバー状集合体が形成されていることを確認した。ゲルの温度可変赤外吸収スペクトル測定を行った。温度変化によるゾル状態からゲル状態への転移に伴い、アミド部位の伸縮振動の吸収バンドがシフトした。このことより、アミド部位が形成する一次元的な分子間水素結合が駆動力となり、ファイバー状集合体が形成されることがわかった。ファイバー形成における電場効果を調べた。電場を印加せずにゾル状態から冷却してゲル状態にした場合には、溶媒中で三次元的にランダムに分散したファイバーが形成された。一方、交流電場を印加してファイバー形成を行うと、電極間を橋渡しするように、電場方向にそって配向したファイバーが形成された。ファイバー形成する分子設計に電場応答性メソゲン部位を導入することにより、形成される自己組織性ファイバーの配向を制御できることを見出した。
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