2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18750112
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中野 幸司 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 助教 (70345099)
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Keywords | π共役系 / 自己組織化 / 液晶 / 半導体物性 / 光物性 / パラジウム触媒 / らせん構造 |
Research Abstract |
本研究は,種々の縮合多環芳香族化合物の効率的合成法を確立し,その手法によって合成できる化合物を高秩序に集積化して,高機能有機材料へ導くことを目的とする.特に芳香環が直線状に縮環した梯子状アセン骨格や芳香環がオルト位で縮環したらせん状ヘリセン骨格を含有する分子に着目する.今年度の検討により,以下の結果を得た. 1)昨年度に開発した合成法を改良することで,フラン環2つとベンゼン環3つが縮環したジオキサアセン合成の効率を向上させた. 2)ヘキシル基1つが置換したジオキサアセンが,分子長軸を基板に向けて立つように配列し,高い規則性をもつ薄膜を形成することが示唆された.それらの薄膜を有機半藤体層とした電界効果トランジスタ素子は,薄膜の高い規則性を反映して0.2cm^2/Vs以上という高い電界効果移動度を示した. 3)アルキル鎖の凝集による自己組織化を目指し,分子長軸方向に長鎖アルキル基2つが置換したジオキサアセンを合成した.単結晶中では,アルキル鎖同士で密にパッキングし,アセン平面同士を向かい合わせて集積化することがわかった. 4)ジオキサアセンの中央のベンゼン環に置換基2つを導入した誘導体を種々合成した.いずれの分子も,単結晶中において,アセン平面を向かい合わせるように集積化することがわかった.また,昨年度にはじめて合成に成功したフラン環とピロール環1つずつとベンゼン環3つが縮環したアザオキサアセンの誘導体を種々合成した.いずれの誘導体も,その非対称構造に起因して,アセン平面を向かい合わせて集積化することがわかった. 5)昨年度に引き続き,ピロール環1つを含むアザ[7]ヘリセンの集積化を検討した.導入するアルキル基の長さ,本数に注目して種々の誘導体を合成した.そのうち,溶液中での会合体形成が分光学的に示唆された化合物において,円偏光発光特性が確認できた.
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Research Products
(5 results)