2007 Fiscal Year Annual Research Report
分子認識における新規結合サイト:シクロアリン、シクロマンニンとその誘導体創製
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18750120
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
福留 誠 Nagasaki University, 医歯薬学総合研究科, 助教 (00336182)
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Keywords | シクロマンニン / マンノース / アルトロース / シクロデキストリン / 2,3-エピチオアロシド / 2,3シデヒドロキシグルコシド / 環状オリゴ糖 / 鎖状オリゴ糖 |
Research Abstract |
1.研究の概要 シクロデキストリン(以下CDと略)の構成糖残基1つ〜全部を非グルコース糖残基に変換することにより、従来法(純化学合成や酵素合成)と比較して効率的に非グルコース環状オリゴ糖を合成した。また、CD構成糖の一つを特定の糖残基に変換すると、変換された糖残基とその還元末端側に隣接する糖残基間のα-1,4結合が、弱酸性条件において選択的に加溶媒分解されるようになることを発見した。さらに、このCD誘導体の選択的一ヶ所開裂を利用することにより、効率的鎖状オリゴ糖合成が可能であることを明らかにした。 2.新規に得られた知見 CDの一つの糖残基を2,3-didehydroxyglucoside(あるいは2,3-epithioalloside)に変換すると、その変換された糖残基のα-1,4結合は、弱酸性条件の水(あるいはエチレングリコール)中において容易に加溶媒分解されることを明らかにした。次に、研究代表者らが近年発見した2^A,2^B-O,O-di(mesitylenesulfonyl)-β-CDのモノエポキシモノスルホナートへの選択的変換法を利用し、A糖にaltroside(あるいはmannoside)を持ち、B糖に2,3-didehydroxyglucoside(あるいは2,3-epithioalloside)を持つCD誘導体を合成し、これを弱酸性条件下、加溶媒分解することにより、非還元末端にaltroside(あるいはmannoside)を持つ鎖状オリゴ糖を合成した。 以上のように、CD構成糖を化学変換する非グルコース環状オリゴ糖の合成研究は、新規糖鎖合成法へと発展してきた。一連の非グルコース環状(および鎖状)オリゴ糖の新規合成法は、オリゴ糖の機能性研究に必要な量と純度のサンプルを供給できる有用な手段になると期待される。
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