2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規発光性キラル液晶による高効率レーザー発振に関する研究
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18750128
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
古海 誓一 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノセラミックスセンター, 研究員 (30391220)
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Keywords | 高性能レーザー / 自己組織化 / フォトニック結晶 / 光物性 / 超分子化学 / 発光 / 郡速度異常 / キラリティー |
Research Abstract |
本研究は、新規な発光性キラル液晶材料を分子設計・合成し、キラル液晶のフォトニックバンド効果を利用した高効率なレーザー発振について検討を行う。 研究期間は二年間であり、発光性キラル液晶の分子設計・合成することから始まり、高度に配向した超分子らせん構造の作製手法を模索するとともに、光励起によるレーザー発光特性の評価まで行う。一年目である昨年度は、発光分子の遷移モーメントと液晶の配向ダイレクターに着目して分子軌道計算を行い、発光部位とキラルメソゲン部位が共有結合で繋がった新規液晶材料を設計した。また、その分子計算結果を指針として、分子合成を行った。二年目である本年度は、昨年度合成した発光性キラル分子を核磁気共鳴、赤外吸収、紫外可視吸収、蛍光分光のスペクトル手法で同定する。新規キラル液晶の超分子らせん構造を高度に配向するために新しい手法を探索し、偏光光学顕微鏡や高解像度電子顕微鏡を用いてその配向状態を観察する。また、キラル液晶の配向状態は光学スペクトル特性に大きく反映されるので、配向度を定量的に解析する。最後に、申請者独自の光計測技術を駆使して、新規キラル液晶のフォトニックバンド効果を利用した高効率な光励起レーザー発振の条件を見つけ出す。材料設計や配向手法を最適化、さらには分子合成へフィードバックして、今まで成功していないキラル液晶を用いた連続光によるレーザー発振の実現を目指す。
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