2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18750141
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
百武 篤也 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (70375369)
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Keywords | ケージド化合物 / ケージング基 / ジヒドロキノリン / ニトロキノリン / 光分解反応 |
Research Abstract |
ケージド化合物は生理活性物質の活性部位を光分解性保護基で保護した化合物である。ケージド化合物を用いることにより細胞内外における活性物質の放出を光でコントロールできるようになる。そのため多様な生理活性物質のケージド化合物が開発され、その有用性が報告されている。ケージド化合物に用いられる生理活性物質の多様性に比して、光分解性保護基の種類はそれほど多くないが、近年の可視化技術のハード面の発展と共に、光分解性保護基自体の発展も必要とされてきている。そこで本研究ではケージド化合物に使うための新規光分解性保護基の開発を行ってきた。本研究で新たなケージド化合物のプラットフォームとして開発されたジヒドロキノリン骨格を持つ光分解性保護基は、カルボン酸部位を有する生理活性物質を保護するのに適している。この新規光分解性保護基に関して、まず光で酢酸を放出するテスト化合物を複数合成し、置換基の導入位置の違いによる光物性の違いを検討し、構造最適化を行ってきた。 その結果、最適な構造及び、ケージド化合物に必要とされる物性、すなわち暗所での安定性、350nm付近の紫外線の吸収効率、光分解による生理活性物質の放出効率に優れていることが示された。また実際にこの光分解性保護基を用いてケージドグルタミン酸を合成したところ、テスト化合物で見られた物性を示し、光でグルタミジ酸を放出することが確認された。光分解の量子収率は0.04で、この値はすでにケージドグルタミン酸としての有用性が示されているMNI-Glutamateと同程度の値であった。
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Research Products
(7 results)