2006 Fiscal Year Annual Research Report
デザインコイルドコイル蛋白質を利用した人工アロステリック蛋白質の創成
Project/Area Number |
18750145
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
水野 稔久 名古屋工業大学, 大学院工学研究科, 助教授 (90345950)
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Keywords | ナノバイオ / 蛋白質 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
コイルドコイル蛋白質は、天然に広く見られる構造ドメインの一つであり(全天然蛋白質の5%程度に含まれる)、一般に蛋白質問の会合において重要な役割を果たしている。強固な会合力により、シンプルな構造ながら連結された蛋白質ドメインを1ヶ所により集めることを可能にする。転写因子として知られるGCN4、転写抑制蛋白質として知られるLacI、ガン抑制蛋白質であるp53などは、いずれもコイルドコイルドメインを含んでいるが、このドメインが切除されると多量化状態が失われ、蛋白質の機能も失われてしまう。そこでこれを逆に考えれば、このようなコイルドコイルドメインの会合過程に種々の外部刺激応答性を付加できれば(ランダム構造→コイルドコイル構造間の構造転移)、特定の外部刺激に応答する人工蛋白質創成の方法論へとつながることが期待できる。 本年度では、具体的に金属イオン応答性のコイルドコイルド蛋白質を新たに設計し、緑色蛍光蛋白質と組み合わせる事により、金属イオン存在下でのみ蛍光発色をはじめる、金属イオン応答性蛍光蛋白質の設計に成功している。この蛋白質はin vivoで使用可能であり、最終的に細胞内での金属イオンセンサーとしての機能まで評価したい。一方で、細胞内で働くメッセンジャーとしてステロイド等の脂溶性リガンドが知られている。これらに対するリガンド認識ドメインの構築を目指し、新たに4本鎖コイルドコイル蛋白質の設計も行った。現段階では、同様に脂溶性であるカンファー誘導体を捕まえる事により蛋白質の構造安定性が変化する事が分かってきており、このコンセプトを押し進める事により、これらのリガンドに応答し構造転移を起こすコイルドコイルドメインの構築、さらにこれと蛍光蛋白質との組み合わせにより特定の基質に応答する蛍光センサー蛋白質の構築を目指していきたい。
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Research Products
(3 results)