2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18750147
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
小堀 哲生 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助手 (00397605)
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Keywords | アンチセンス核酸 / 核酸プローブ / エテノアデノシン / 過酸化脂質 / DNA / RNA / クロスリンク |
Research Abstract |
アンチセンス核酸は人間の体内において、標的遺伝子のみを特異的に不活性化することができるため、様々な分野で応用され、現在では医薬品化されるにいたっている。しかしながら、これら核酸誘導体による標的遺伝子の認識能力は、形成された二重鎖の安定性だけに依存しているため、安定性に大きな差のない配列を誤認識するオフターゲット効果が起こることがあり、問題となっている。そこで我々は、標的遺伝子を共有結合を介して配列選択的に捕捉することのできる遺伝子発現制御法の開発を本研究の目的と定めた。 本年度においては、相補鎖と共有結合を介してクロスリンクする機能性核酸誘導体の合成と、相補鎖とクロスリンクする際の配列選択性について評価を行った。 細胞中に存在するの過酸化脂質が核酸塩基部と付加体を形成することに着目し、その部分構造をモチーフとした4-オキソアルケナ-ル基を導入した機能性核酸の開発を行った。4-オキソアルケナール基の導入方法としては、プローブ核酸の5'末端にウレタン結合を介して導入する方法が最も簡便であることが明らかとなった。 相補鎖とのクロスリンク能を評価した結果、4-オキソアルケナ-ル基の正面にシトシンが位置する配列の際に最も効率よく相補鎖とのクロスリンク反応が起こることを明らかとした。また、アデノシンが相補的な位置にきた際にもクロスリンク反応が起こり蛍光性の誘導体が精製することが明らかとなった。 得られた結果については、第17回International Round Table(Swiss)、核酸化学シンポジウム(大阪)、第87回日本化学会春季年会において発表を行った。
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