2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18750148
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川井 清彦 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (50314422)
|
Keywords | 電子移動 / 光電荷分離 / DNA / 過渡吸収法 / DNA光損傷 / SNPs |
Research Abstract |
DNAの酸化によりDNA中に生じた正電荷(ホール)が、DNAを長距離にわたり移動することが明らかになり、その生物学的影響、またDNAをセンサーとして応用する観点から注目を集めている。これまでに我々は、DNA中の長距離ホール移動の観測に成功し、ホール移動速度からDNA中に生じたミスマッチの検出が可能であることを報告した。本研究では、DNA内光電荷分離に基づくDNA内電荷移動速度の測定からSNPs(一塩基多型)を読み出すDNAセンサーを開発するため、DNAナノブロックを利用したDNA中の電荷移動について検討した。診断を行う配列に直接煩雑な化学修飾を行わなくて良いように、診断したい配列を一つのブロックとして、これに電荷注入ブロック、電荷検出ブロックを混合することにより電荷移動速度を読み出すことを検討した。混合するだけでブロック同士が結合するためには、結合部位が熱力学的に安定であり、かつ電荷が速く移動する必要がある。そこで、CG繰り返し中の電荷移動速度をもとめたところ高速に移動することがわかり、CG繰り返し配列をもとにDNAナノブロックの連結部位を設計した。その結果、診断ブロックを電荷注入ブロック、電荷検出ブロックと混合するだけでDNA内光電荷分離に基づいた電荷移動速度の測定から診断ブロックの情報を読み出すことに成功した。
|