2006 Fiscal Year Annual Research Report
ラジカル重合反応を用いるたんぱく質β-シートの高機能化
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18750152
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森 健 九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (70335785)
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Keywords | β-シート / ジエン / ラジカル重合 / 架橋 / アミロイド / シルク |
Research Abstract |
βシートは近年、生医学材料やナノスケール材料として注目を集めている。しかし、その応用範囲を広げるためには、安定性を高める必要がある。そのため、本研究ではβシートを化学架橋により安定化する手法の開発を目指した。βシートのβ鎖間の距離(4.8Å)と、重合距離の一致するジエンに注目し、これを9量体ペプチドの中央に導入した(Ac-Phe-Lys-Phe-Glu-Xaa-Lys-Phe-Glu-Phe-NH_2、Xはジエンを側鎖に有するアミノ酸)。このペプチドは静電相互作用および疎水性相互作用により首尾よくβシートを形成した。その状態で紫外光(270nm以下をカットした超高圧水銀灯)を照射したところ、照射に伴いジエンに由来する260nm付近の吸収が減少し、4時間後にはその減少は飽和に達した。これは重合によりジエンが消失したことを示していると思われる。重合はGPCによって排除限界にかかるフラクションが現れたことから確認された。重合後もCDスペクトルにほとんど変化はないことから、βシート構造が維持されていることがわかった。また、TEM観察される直径3nmのβシートファイバーは重合後にも同様に観察された。以上のことから、ジエンを架橋基として用いたことにより、架橋後にβシートにひずみが生じることなく、その構造が維持されることがわかった。このようにして得られた安定化βシートの有機溶媒および酸に対する耐性を調査した。HFIPを50%加えた場合にも、高いβシート含量を維持していること、また、pH2としてもまったく変性が起こらないという興味深い事実が明らかとなった。
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Research Products
(2 results)