2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18750157
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
宮武 智弘 Ryukoku University, 理工学部, 講師 (10330028)
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Keywords | 光合成 / クロロフィル / 生体膜 / 集光アンテナ / エネルギー移動 / 自己会合 / 超分子 |
Research Abstract |
緑色光合成細菌の集光アンテナであるクロロゾームでは、バクテリオクロロフィル(BCh1)-c分子が自己会合体を形成して光捕集の役割を果たしている。これまでの研究から亜鉛クロリンの自己会合体がクロロゾームのモデルとして有効であることが明らかとなっている。そこで本研究では、亜鉛クロリンとリン脂質を用いてリポソームを調製し、その二分子膜内で亜鉛クロリンを自己会合させた集光アンテナモデルの構築を目指した。まず、3^1位にメトキシ基、17位のエステル部にヒドロキシデシル基を導入した亜鉛クロリンを合成し、亜鉛クロリンおよびホスファチジルコリンの混合物から亜鉛クロリンを脂質膜内に含むリポソームを作製した。このリポソーム溶液の可視吸収およびCDスペクトルの結果から、亜鉛クロリンは自己会合体を形成していることが確認できた。つぎに、蛍光スペクトルを測定したところ、亜鉛クロリン自己会合体からの発光が見られた。さらにエネルギーアクセプターとしてバクテリオクロリンを加えたところ、亜鉛クロリン自己会合体からの発光が消光し、新たにバクテリオクロリンからの発光が観測され、亜鉛クロリン自己会合体からバクテリオクロリンへのエネルギー移動が確認された。このようにして、天然の光合成系と同様に生体膜を反応場とした集光器官を構築することに成功した。一方、イオン性の親水性基をもつクロロフィル誘導体を新規に合成した。これらの両親媒性クロロフィル誘導体は水中で安定な自己会合体を形成することを確認し、また脂質二分子膜内に効率よく挿入できることも見出した。さらに、これらの両親媒性クロロフィル誘導体はポリペプチドとの複合体形成により、集光アンテナのモデル系を構築できることも明らかとなった。
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Research Products
(23 results)
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[Journal Article] Synthetic multifunctional nanoarchtecture in lipid bilayers: Ionchannels, sensors and photosystems2007
Author(s)
R. Bhosale, S. Bhosale, G. Bollot, V. Gorteau, M. D. Julliard, S. Litvinchuk, J. Mareda, S. Matile, T. Miyatake, F. Mora, A. Perez-Velasco, N. Sakai, A. L. Sisson, H. Tanaka and D.-H. Tran
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Journal Title
Bull. Chem. Soc. Jpn. 80
Pages: 1044-1057
Peer Reviewed
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