2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18750159
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
阿部 洋 独立行政法人理化学研究所, 伊藤ナノ医工学研究室, 研究員 (80415067)
|
Keywords | 蛍光 / 消光 / タンパク質検出 / 蛍光発生化合物 / アプタマー / 試験管内進化法 |
Research Abstract |
生きている細胞内タンパク質検出の鍵となる蛍光発生化合物の合成を行った。この化合物は、蛍光化合物フルオレセインと蛍光消光剤ダブシルの結合体である。この蛍光発生化合物を導入したDNAアプタマーを作製する。アプタマーは、タンパク質グルタチオンレダクテースに特異的に結合し、蛍光発生化合物中のリン酸エステル部が、タンパク質上のアミノ酸残基セリンなどと反応することにより、蛍光化合物と蛍光消光剤が切り離され、蛍光化合物が発光する。その際に、蛍光化合物はアミノ酸残基と化学結合するため、結果としてタンパク質の蛍光標識化が達成される。 まず、消光剤ユニットの合成について説明する。ダブシルクロリドとアミノエタノールを結合させ、ダブシルリンカーを調整した。既報により調整したトリリン酸リンカーとダブシルリンカーを反応させることにより、末端にリン酸基を有する消光剤ユニットを合成した。もう一つの蛍光ユニットの合成について説明する。アミノ酸リジンを基本骨格としてビオチン酸をε-アミノ基に導入し、さらに、αアミノ基にフルオレセインイソシアネートを結合させた。残るαカルボキシル基に、アミノエタノールを縮合させアミド結合とし、末端に水酸基を有する蛍光剤ユニットの合成を完了した。現在、消光剤ユニットのリン酸部と蛍光剤ユニットの水酸基部のリン酸エステル化反応を検討している。本蛍光発生化合物の合成が完了した後に、この化合物を核酸プローブに導入し、試験管内進化法によるタンパク質結合性アプタマーの探索を行う予定である。
|