2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18750175
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上田 幹人 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (00292053)
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Keywords | 溶融塩 / 化合物半導体 / Bi-Sb-Te / 選択性電析 |
Research Abstract |
本研究の最終目的は選択性電析法を用いて高純度化合物半導体を製造する事であり、今年度は、Bi_2Te_3およびBi-Sb-Teが単相電析する条件、p型およびn型の電析物が得られる電解条件、電析物の結晶配向性に及ぼす因子について重点を置き研究を展開した。 電解液としてAlCl_3-NaCl-KCl溶融塩を用いた。150℃の電解液中でBiイオン,SbイオンおよびTeイオンの電気化学測定を行い、それぞれのイオンの還元電位を決定した。BiとTeを含有する電解液の中で種々の電位により定電位電解を行った結果、電位によるパラメータである程度Bi-Te合金組成を制御できる事がわかり、電解液中のBiイオン濃度、Teイオン濃度の調整と電位との組み合わせによりBi_2Te_3のみを単相で析出させる条件を見出した。 本選択電析法を用いることで、電析中にBiやTeが単独に電析した場合には、すぐに電解液中に溶解してしまうため、電極上に残る電析物はBi-Teの化合物のみであり、非常に容易にBi_2Te_3が形成できる事が確認できた。また電解液中のBiイオン濃度とTeイオン濃度の微調節によりBi_2Te_3の組成を僅かに変化させることができ、それに対応して電析物の特性がp型およびn型になる事がわかった。Bi-Sb-Teの電析についても定電位では組成制御に限界があることがわかり、電解液中のBiイオン,SbイオンおよびTeイオンの濃度調整が組成制御に効果的である事がわかった。本実験の成果として一般的に用いられているBi_<0.5>Sb_<1.5>Te_3の組成についても電析で得られる事がわかった。 電析物の結晶配向性については、下地電極の材料によって電析するBi_<0.5>Sb_<1.5>Te_3の配向性に影響を及ぼすことがわかった。この結晶配向性の詳細については、次年度にわたり継続する予定である。
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Research Products
(1 results)