2006 Fiscal Year Annual Research Report
水溶性チタン錯体の化学設計と広角的水熱プロセスによるチタン系酸化物の相・形態制御
Project/Area Number |
18750177
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
冨田 恒之 東海大学, 理学部, 助手 (00419235)
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Keywords | 水溶性チタン錯体 / チタン系酸化物材料 / 水熱プロセス / ナノ粒子 / 形態制御 / 光触媒 / 酸化チタン / 蛍光体 |
Research Abstract |
本年度は4つの研究実施計画を立てて研究を行った。以下にそれぞれの研究結果の概略を記す。 1 アナターゼ型、ルチル型酸化チタンの超微粒子の合成 過去に研究代表者らが開発した水溶性チタン錯体を用いて、水熱法によりアナターゼ型酸化チタンの超微粒子を得ることに成功した。リンゴ酸チタン錯体を原料としたときに最も理想的な結果が得られた。粒径は処理条件によって3nmから数十nm程度まで自在にコントロールすることが可能であり、いずれの場合もほぼ単分散であり、かつ高い結晶性を持っていた。ルチル型の微粒子は得られていない。 2 ブルカイト型酸化チタンの合成手法の確立 グリコール酸チタン錯体、乳酸チタン錯体を原料に用いた場合に、一般的に合成が困難と知られているブルカイト型酸化チタンを合成することができた。アンモニア、エチレンジアミン、水酸化ナトリウム等で塩基性にすることで合成でき、再現性は高く極めて簡便なプロセスを確立した。 3 新規水溶性チタン錯体の作製と構造解析 4 低コストな水溶性チタン錯体の作製手法の開発 水溶性チタン錯体の合成は従来は金属チタンを原料としていたが、より安価な四塩化チタンと硫酸チタンを原料にした新しいルートを開発した。工業的にも有利なプロセスであり、水溶性チタン錯体の大量生産への足がかりとなると期待できる。また、共存するカウンターイオンを制御できるため、水溶性チタン錯体を使った種々のな基礎研究に対しても大きな利益となる。
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