2008 Fiscal Year Annual Research Report
水溶性チタン錯体の化学設計と広角的水熱プロセスによるチタン系酸化物の相・形態制御
Project/Area Number |
18750177
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
冨田 恒之 Tokai University, 理学部, 助教 (00419235)
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Keywords | 水溶性チタン錯体 / チタン系酸化物材料 / 水熱プロセス / ナノ粒子 / 形態制御 / 光触媒 / 酸化チタン / 多形 |
Research Abstract |
平成20年度は4つの実施計画を立てて研究を行った。以下にそれぞれの研究結果の概略を示す。 1 アナターゼ、ルチル、ブルカイト型酸化チタンの粒子形態制御 アナターゼ型二酸化チタンの合成では従来までの結果に加え、新たにニードル型粒子の合成に成功した。この試料は比較的高い光触媒活性を持っていることが確認され、その特異な形状から露出している結晶面が光触媒反応における分解対象に対して高い吸着特性を持つことが理由と推測される。ルチル型二酸化チタンの合成では10nm以下のシングルナノ粒子の物性評価を行った。比表面積が極めて大きく、市販のルチル型二酸化チタンと比べて数倍高い光触媒活性を持っていることを明らかにした。ブルカイト型二酸化チタンに関しては従来の結果に比べわずかではあるがさらなる微粒子化に成功した。 2B型Tio_2の物性評価 光触媒活性のほとんど知られていないB型二酸化チタンの活性評価を行った。合成条件を種々検討したところ、メタノールの気相分解実験においてアナターゼ型二酸化チタン光触媒と遜色ない高い分解活性を持っていることを明らかにした。また、良質なB型二酸化チタンが合成できており、それをもちいてリートベルト解析によって結晶構造の精密化を行った。 3新規水溜生チタン錯体の構造決定 酒石酸チタン錯体およびりんご酸チタン錯体において単結晶線回折法による構造決定を目指し、これらのアンモニウム塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩の単結晶作製を試みたが、いずれも結晶が生成しない、あるいは微結晶のみの生成であり、単結晶の作製には成功しなかった。 4ソフトプロセスによる複合酸化物の合成 種々のチタン酸アルカリ系およびチタン酸アルカリ土類系複台酸化物の合成を試みた。単相による合成はできていないが、主相としてチタン酸ストロンチウムが合成できることを見出した。
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