2007 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化膜の3次元集積化による機能性ナノ構造体の創製
Project/Area Number |
18750181
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西 正之 Kyoto University, 工学研究科, 助教 (50402962)
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Keywords | ナノ材料 / 自己組織化 / 表面・界面物性 / ゾルーゲル法 / 構造・機能材料 |
Research Abstract |
本研究は、液相中や固液界面で分子間に自然に働く化学的・物理的相互作用を利用して、新規な光学的、電気的機能デバイスの構築を可能にする"ナノ構造をもつ"材料の創製と、その手法の確立を目指している。得られた成果の一つとして、チオール基(-SH基)をもつシランカップリング剤である3- Mercaptopropyltrimethoxysilane(MPTMS)を用いた3角形や6角形のシート状Au単結晶ナノ・マイクロ粒子の合成がある。本手法は簡便で、塩化金酸水溶液にMPTMSエタノール溶液を混合し、数10度で保持するだけである。MPTMSは通常、-SH基の貴金属への吸着性とメトキシ基(-OMe基)の加水分解重縮合性を利用してAu基板や粒子にMPTMSの架橋分子膜を作製することに使用される(Au粒子の場合は、集積化のための接着剤としても利用できる)が、本研究では、-SH基が貴金属だけでなくそのイオンへも吸着し、さらに弱還元性をもつことに着目し、MPTMSをAu^<3+>と反応させた。還元で生じるMPTMSのジスルフィドもAuへの吸着性を示すため、少ないステップでMPTMS分子膜保護Auシートが得られたと考えられる。得られたAuシートの厚さは数10nmであり、大きさは保持温度等の因子により数100nmから数10μmまで変化させることができた。MPTMSの代わりに-OMe基をもたない2-MercaptoethanolをAu^<3+>と反応させた場合、Auシートは得られず、球状のAu粒子が得られたことから、MPTMSの重合が異方的な構造(シート状構造)の形成に重要な役割をはたしていることが推察された。実際、MPTMSの重合速度を変化させることで、Auナノワイヤーも合成することができた。また、MPTMSの重合を阻害した条件下での還流操作により、大きさ100nmの等方的な多面体粒子を合成することにも成功した。
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Research Products
(3 results)