2008 Fiscal Year Annual Research Report
金属イオンの拡散によって生じる自発的なゲルのパターン形成に関する実験的研究
Project/Area Number |
18750193
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
成田 貴行 Saga University, 理工学部, 助教 (30423560)
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Keywords | ゲル / パターン形成 / 相分離現象 / 拡散 |
Research Abstract |
1. 擬1次元空間で形成される自発的なゲルのパターン形成 毛細管中に天然多糖類水溶液を封入してゲル化剤を拡散させる系において様々なパターンを持つロッド状のゲルを得た。このゲルに現れるパターンは大きく分けて、チューブ、セル、セルーチューブ、螺旋、筍の5つに分類できた。今年度は形成されたパターンと温度との相関を明らかにした。ゲルの作成温度を調整することにより、パターンの波長をコントロールできることが分かった。このパターンと温度の相関は、プレゲル溶液の粘性と温度の関係に類似しており、ゲルに現れるパターンの温度依存性は、粘度の温度作用に起因していることが明らかになった。 2. 擬2次元空間で形成される自発的なゲルのパターン形成 同様に擬二次元空間に自発的なパターンを形成させ、天然多糖類水溶液にゲル化剤を拡散させることでゲル化剤の濃度勾配に対してほぼ平行に縦縞のパターンを形成した。今年度はゲルの厚みと2次元空間に形成されるパターン形状の関係について考察した。ゲルの厚みを変化させることにより、縦縞のパターンだけではなく、横またさらにはチェック状のパターンを形成できることを明らかにした。ゲルの厚みがパターン形状に与える影響の理由として、ゲル内で誘起されるバルクな相分離だけがパターン形成に関わっているのではなく、表面の濡れ現象等がパターンの形成に強く関わっている一ことが示唆された。
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