2007 Fiscal Year Annual Research Report
分子鎖末端の水素結合を利用したポリマーブレンドの精密相分離構造制御
Project/Area Number |
18750194
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
秋葉 勇 The University of Kitakyushu, 国際環境工学部, 准教授 (80282797)
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Keywords | ポリマーブレンド / 水素結合 / ブロック共重合体 / 小角X線散乱 / ナノ秩序化 / 相分離構造 |
Research Abstract |
本研究では,分子鎖の特定位置で相補的な水素結合を形成するポリマーブレンドを調製し,その相構造および相挙動を明らかにすることによって,ポリマーブレンドの精密な相分離のモルホロジー及びそのスケール制御の手法を確立することを目的として研究を行った。 互いに非相溶のポリマー対の分子鎖末端に相補的な水素結合を形成する極性基を導入したポリマー対をリビングアニオン重合法および制御ラジカル重合法により合成し,それらを用いてポリマーブレンドを調製した。得られたポリマーブレンドは,ブロック共重合体様のナノ空間で周期性を持つ相分離構造を形成することがX線小角散乱(SAXS)より明らかになった。この相分離構造の周期が温度変化に伴い可逆的に変化することもSAXSにより見出された。また、水素結合が切断される温度以上に加熱することにより,微視的スケールから巨視的スケールへと相分離構造の特徴的な大きさのオーダーが切り替わり,この変化が熱可逆的であることがSAXS測定および光学顕微鏡観察より見出された。このブレンドによるナノ秩序化構造は,ブロック共重合体と同様に,成分間の偏斥力に強く依存することを見出した。 本研究では,これらの研究を更に発展させ,ブレンドによるブロック共重合体様の会合体を選択溶媒中に分散させることによる刺激応答性ナノ粒子への応用を試みた。その結果,ブレンド物は選択溶媒中でミセル様の集合体を形成し,水素結合の形成-解離に伴う刺激応答性が発現することを見出した。
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