2006 Fiscal Year Annual Research Report
金属ナノ粒子と酸化物ナノシートからなるナノ構造薄膜の構築と新規太陽電池の開発
Project/Area Number |
18759001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂井 伸行 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (70431822)
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Keywords | 金ナノ粒子 / プラズモン共鳴 / ナノシート / 交互積層 / ナノ構造薄膜 / 光電気化学 |
Research Abstract |
本研究では、光と物質の相互作用の一つであるプラズモン共鳴に基づいた、光エネルギーを電気エネルギーや化学エネルギーへ変換するシステムの構築を目的とする。これまでにプラズモン共鳴を用いたエネルギー変換が可能なことが示されているが、その原理にはまだ明らかでない点も多く、変換効率の最適化の指針を得る上で障壁となっている。本研究では、プラズモン共鳴金属ナノ粒子を集積化したナノ構造薄膜の構築により光エネルギー変換の原理を解明し、より適切な材料設計指針を得るとともに光エネルギー変換効率の飽上を図る。 平成18年度は、金ナノ粒子の合成および酸化チタンナノシートとの交互積層による集積化とその光電流特性を検討した。金ナノ粒子は既報に従い、棒状のナノロッドと球状のナノスフィアの合成を行った。セチルトリメチルアンモニウム修飾金ナノロッドは正に帯電しているため、負に帯電するナノシートとの交互積層が可能であると考えられたが、全く吸着しなかった。一方、クエン酸修飾金ナノスフィアは負に帯電しているため、カチオン性ポリマーであるポリジアリルジメチルアンモニウムを導入することにより、負に帯電するナノシートとの交互積層による集積化に成功した。ガラス基板に構築したナノ構造薄膜では、金ナノスフィアがナノシートに被覆されることによりそのプラズモン共鳴が増強されることを見いだした。透明導電性基板に構築したナノ構造薄膜では、可視光照射による光電流生成は観測されなかった。金ナノスフィアとナノシートの問に存在するカチオン性ポリマーが光電流を阻害しているためと考えられ、今後はポリマー層を除去した試料について検討していく。
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