2007 Fiscal Year Annual Research Report
スピン量子十字構造を用いた超高密度メモリの作製とその評価
Project/Area Number |
18760001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
海住 英生 Hokkaido University, 電子科学研究所, 助教 (70396323)
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Keywords | 高密度メモリ / 真空蒸着法 / 磁性薄膜 / 有機膜 / 表面状態 / 断面観察 / 量子十字構造 |
Research Abstract |
高度情報化社会において、記録再生メモリの更なる微細化・高集積化が要求されている。現在までにリソグラフィー技術の発展により27nm線幅のメモリが作製可能となった。これは0.22 Tbit/inch^2に相当する。しかしながら、これを超える高密度メモリを作製するためには、リソグラフィー技術に替わる新たな作製方法が必要となる。そこで本研究では新たな超高密度メモリ作製方法を提案し、その単位構造であるスピン量子十字構造に関する研究を行うことを目的とする。 初めに、巻取式真空蒸着装置を用いて、Ni薄膜/ポリエチレンナフタレート(PEN)有機膜を作製した。装置内には、Ni薄膜に磁気異方性を付与するために、成膜部近傍にフェライト永久磁石を設置した。次に、ラッピング装置を用い、Ni/PENエッジ面の平坦処理を行った。最後に、超高清浄環境システム内で、Ni/PENエッジ面を互いに対向するように貼り合わせ、スピン量子十字構造を作製した。Ni薄膜の膜厚測定、及び、構造解析にはレーザー透過光強度測定装置、及び、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた。Ni薄膜の表面観察には原子間力顕微鏡(AFM)を用いた。 AFMによる表面観察結果から、PEN上のNi薄膜は膜厚が厚くなるに従い平坦化し、その表面粗さは0.6-0.7nm程度となることが明らかになった。特に、AFM観察スケールが膜厚と等しいとき、いずれの膜厚においても、その表面粗さは1-2原子層以下となることから、Ni/PENはスピン量子十字構造に適した構造となることがわかった。また、断面TEM像により、Ni原子はPEN膜に拡散せず、明瞭で均一な界面が得られることがわかり、最薄で20nmのNi膜が確認できた。本手法ではこれがメモリ線幅になるため、原理的にはリソグラフィー技術を超えた結果を得ることができた。
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