2007 Fiscal Year Annual Research Report
リチウム二次電池正極におけるヤーン・テラー歪抑制効果の画像診断に関する研究
Project/Area Number |
18760013
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
串田 一雅 Osaka Kyoiku University, 教育学部, 准教授 (80372639)
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Keywords | 新機能材料 / リチウムイオン二次電池 / 原子間力顕微鏡 |
Research Abstract |
平成19年度の研究実績は以下の通りである。 (1)Fe置換量と光学物性の相関性の評価 ゾルーゲル・スピンコーティング法を用い、シリコン基板上にFe置換LiMn_2O_4膜を作成した。通常のスピネル型LiMn_20_4膜を作成する場合、酢酸リチウムおよび酢酸マシガンを原子数比1:2になるように計量しメチルアルコール中に溶解するが、本研究では、原材料である酢酸マンガンの一部を酢酸鉄に置き換えてゾル液を作成することによりLiMn_2O_4へのFe置換ドーピングと置換量の制御を図った。置換量は5%、10%、15%、20%である。これらの溶液にクエン酸を添加しゾル液を作成した。作成したゾル液をシリコン基板上にスピンコーティングし500℃、30分間焼成した。試料の結晶性および組成の評価には、薄膜用X線回折法、ラザフォード後方散乱法を用いた。試料の組成は概ね原材料の混合比と一致した。作成した試料に対し光吸収法およびラマン散乱法等の光物性評価を行いFe置換量との相関を調べた。Fe置換LiMn_2O_4膜においては、置換量が多いほどd-d遷移に起因する吸収ピークが長波長側にシフトすることが明らかとなった。 (2)新しい充填四面体化合物Li_3AIN_2およびLi_3GaN_2の電子状態計算 新しい充填四面体化合物Li_3AIN_2およびLi_3GaN_2は、Li-Nボンド長とA1-NあるいはGa-Nボンド長が異なるため、格子内に局所歪みを有する。この局所歪みがもたらす電子構造変化を、DV-Xα法によるコンピューターシミュレーションを用いて解明した。
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