2006 Fiscal Year Annual Research Report
超ナノ微結晶ダイヤモンドのナノパンプ構造化による超高性能電界電子放出素子の開発
Project/Area Number |
18760021
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Research Institution | Ariake National College of Technology |
Principal Investigator |
原 武嗣 有明工業高等専門学校, 電子情報工学科, 講師 (20413867)
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Keywords | 結晶工学 / 新規機能材料 / 超ナノ微結晶ダイヤモンド |
Research Abstract |
申請者はこれまでの研究で、レーザーアブレーション(PLD)法を用いて、アモルファスカーボン成分がほとんど残留しない、極めて高密度・高品質のUNCDを形成できている。本研究は、ナノパンプ構造化金属薄膜に、PLD法により成長した高品質UNCDを堆積し、下地のナノパンプ構造を維持して成長したUNCD薄膜を、超高性能電界電子放出材料素子として応用すべく立ち上げた研究である。 新材料であるUNCDは,その物性がまだよく調べられていない。初年度では、UNCD薄膜の光学・電気特性について調べた。光透過・反射率より求めた光吸収スペクトルより、吸収係数αは3〜5eVにおいて約10^6cm^<-1>であった。これはダイヤモンドの吸収係数と比較して4桁大きい値である。間接遷移および直接遷移バンドギャップはそれぞれE_<ig>=0.8eV,E_<dg>=2.3eVであった。このほか、5〜6eV付近にも吸収端が確認できた。これはダイヤモンドのンドギャップに近く、UNCDのダイヤモンドとしての吸収によると考えられる。アモルファスカーボンの中でもバンドギャップを有するDLCは、0から3eVの間接遷移型バンドギャップを持ち、その値はsp^3/sp^2により変化することが知られている。観測されたE_<ig>=0.8eVはUNCD壷取り巻くDLCに起因すると考えられる。一方,E_<dg>=2.3eVはUNCD薄膜に特有なものである。この直接遷移の光吸収は,2.3eVから5.4eVの吸収係数αを非常に大きなものにしている. Bをドープした膜の電気伝導度はノンドープのものより約3桁程大きい値を示した。熱起電力測定からBドープUNCD膜はp型となることが確認できた。
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