2006 Fiscal Year Annual Research Report
次世代半導体デバイスのための遷移金属材料プラズマエッチングプロセスの開発
Project/Area Number |
18760029
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 和生 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教授 (50335189)
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Keywords | プラズマプロセス / プラズマ加工 / ナノデバイス / high-k / フッ素 / ゲート / MOSFET |
Research Abstract |
次世代超大規模集積回路(ULSI)におけるゲート絶縁膜材料として有望視されている酸化ハフニウム(HfO_2)に注目し、ゲート幅が数十ナノメートルのMOSFETを形成するためのプラズマエッチング技術を確立することを目指している。プラズマエッチングでは、多くの場合、非加工物にハロゲン(塩素やフッ素など)を作用させ、揮発物質を生成することによりエッチングを実現している。本研究では、産業分野において扱いやすいと予想されるフッ素系ガスを用いて、HfO_2を加工することが目標である。 今年度は、特に、フッ素のHfO_2表面での化学反応を理解することを念頭に実験を進めた。フッ化硫黄(SF_6)/アルゴン(Ar)の系でプラズマエッチングを行い、主にX線光電子分光法(XPS)を用いた表面の化学組成分析により、表面での化学反応を推測した。実験では、フッ素ラジカルなどの化学的活性種を豊富に含み、アルゴンイオンなどのイオン種が多く含まれると見なされる条件で、エッチング速度が大きくなる傾向が認められた。XPSの分析では、プラズマの照射により表面における化学結合が変化することがわかり、Hf-Hf結合やHf-O結合がHf-F結合に置き換わっているものと推測された。HfO_2のフッ素系ガスでのプラズマエッチングにおいては、HfF_4が主な脱離生成物であると考えられる。一方で、炭素が含まれるフルオロカーボン系ガスを用いたエッチングでは、有機金属様の化合物が脱離生成物である可能性が指摘されているため、来年度には炭素が含まれる系でのエッチングを試みる。双方の結果により、HfO_2のプラズマエッチングにおけるフッ素と炭素の役割が明らかになり、これらの活性種を制御することにより高精度なプラズマエッチング技術を得ることが可能であると考えられる。
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