2007 Fiscal Year Annual Research Report
有機無機複合体多層薄膜を用いた新規蓄光デバイスの開発
Project/Area Number |
18760032
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Research Institution | Research Institute for Electric and Magnetic Materials |
Principal Investigator |
薄井 洋行 Research Institute for Electric and Magnetic Materials, 光学材料グループ, 研究員 (60423240)
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Keywords | 結晶成長 / 自己組織化 / 半導体物性 / 光物性 / 界面・表面物性 |
Research Abstract |
本研究課題の新規蓄光デバイスは、配列化した半導体ナノ粒子層とインターカレーションイオンを収納できるナノ空間を作る有機分子との複合体で構成される。今年度は、自己組織化によってナノ構造を有する半導体材料を物理気相蒸着法および湿式化学合成法を用いて作製し、サイズと形状の評価を行った。 物理気相蒸着法として、分子線エピタキシー法を用いてSi(100)基板表面上にGaAsナノ粒子を蒸着させた。ナノ粒子の成長過程は反射高速電子回折によりその場観察した。ナノ粒子薄膜を作製後に、基板表面に対して垂直方向および平行な方向から高分解能の透過型電子顕微鏡(TEM)による観察を行った。成長初期のGaAsナノ粒子は基板と平行な面内においてほぼ東方的な形状を持つが、底面のサイズが20nmを超えるほどの大きさを持つと、徐々に<011>方向に伸びた異方的な形状に変わることが分かった。これは、<011>方向に優先的に積層欠陥や転位が形成され、その結果蓄積された格子ひずみが異方的に緩和されるためだと考えられる。 湿式化学合成法として、水溶液中での化学反応を利用して、単結晶ZnOを一括合成した。ZnOは一次元的なロッド状の形状を持ち、格子欠陥に起因するオレンジ色の蛍光を示した。また、界面活性剤水溶液中での合成により、ロッドが放射状に伸びた形状のZnOが得られることが分かった。この放射状ロッドの隙間の空間での光化学反応を利用した新しい光機能性の発現が期待される。
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