2007 Fiscal Year Annual Research Report
生体医療器具を対象とした炭素系薄膜形成プラズマプロセスの開発
Project/Area Number |
18760033
|
Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
大越 康晴 Tokyo Denki University, 理工学部, 助手 (10408643)
|
Keywords | 炭素系薄膜 / プラズマプロセス / 三次元構造物 / 任意形状電極 / 炭素系薄膜 / 生体医療器具 / 表面処理 / バリヤ性 |
Research Abstract |
平成19年度は、前年の"(1) 任意形状電極の3次元形状とプラズマ状態の関係"および"(2) 膜質の均一性と成膜中のプラズマ状態との関係"の2項目の検討結果を基礎として、以下の2項目(3),(4)について検討した。 (3) ダイアフラムの動的変形に対するa-C:H膜の安定性評価 拍動に伴うダイアフラムの動的変形に対するa-C:H膜の安定性を評価した。動的な変形のみについて膜の安定性を評価するために、ダイアフラムの拍動を模擬した拍動試験を行なった。そして、拍動試験前後において、ダイアフラムに形成されたa-C:H膜の表面状態の観察および膜の密着性を中心とした安定性について検討した。走査型電子顕微鏡による断面観察では、ダイアフラムとa-C:H膜の界面は、駆動試験に対し良好な安定性が確認された。また、X線光電子分光法,赤外吸収分光法,レーザラマン分光法によるa-C:H膜の表面状態および構造分析についても、駆動試験の前後において特に変化は確認されず、こちらも良好な膜の安定性が見込まれた。 (4) 透過試験によるa-C:H膜の有効性評価 研究計画当初は、Silicone-oilを用いた駆動溶液試験を実施する予定であったが、バリヤ性を詳細に検討するために、酸素ガスに対する透過試験を行なった。一般的に、a-C:H膜はガスバリヤ性に優れることが知られているが、本実験でもa-C:H膜の良好なガスバリヤ効果が認められた。実際の駆動溶液(Silicone-oil)の分子は酸素と比べても大きいことから、十分に駆動溶液の透過阻止が期待できる。 平成18年度より行ってきた本研究成果は、任意形状の生体医療器具を対象としたa-C:H膜のコーティング方法を確立し、実際の駆動に対する安定性や、駆動溶液の透過阻止効果が十分見込まれるなど、良好な結果が得られた。
|
Research Products
(6 results)
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 新規の二重円筒を備えた回転粘度計による血液凝固開始時間の評価2007
Author(s)
村田公平, 大矢根綾子, 伊藤敦夫, 菜嶋健司, 横山英明, 関明子, 石曽根隆, 丸山修, 尾関和秀, 大野宏策, 大越康晴, 福井康裕
Organizer
第23回ライフサポート学会大会
Place of Presentation
茨城県(つくば市)
Year and Date
20071001-03