2006 Fiscal Year Annual Research Report
補償光学系の空間周波数領域でのエイリアジング除去による性能向上の検討
Project/Area Number |
18760047
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
服部 雅之 国立天文台, ハワイ観測所, 特別客員研究員 (20308208)
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Keywords | 光学・量子光学 / 補償光学 / 波面計測 / 波面補正 / 位相計測 / 結像系 |
Research Abstract |
該当年度においては、まず、基礎的な研究として36素子の補償光学系について、空間周波数領域でのエイリアス低減と性能向上に関してシミュレーションを行い、結果をまとめた。結果に関しては、空間周波数領域でのエイリアスによる性能低下に関しての問題提起と合わせて、日本光学会で発表している。 研究内容の詳細は、まず、補償光学系において波面センサーのサンプリング周期を超えるような高次の揺らぎ成分が空間周波数上でエイリアスを生じて性能の低下を引き起こす問題を定式化した。それに対し、ロジェ式の曲率型補償光学系の場合には、波面センサー内部に元々存在する像面にマスクを配置することで空間周波数フィルターとして機能させエイリアスの低減に有効となることを示した。さらに、その際のマスクを、波面の検出および補正素子の空間的な配列に対してブリルオンゾーン状の形状とすることで、正方行列以外の素子配置でも効率的なフィルターリングが可能となることを指摘した。また、上記に基づくシミュレーションを行い、像面の中心付近で空間フィルターと共役な領域において、迷走光が一桁程度低減され像コントラストの向上が図れること、そして、迷走していた分の光束が中心に集中することでストレール比の向上も数割程度となる場合があることを明らかにした。さらに、今後の研究の進展に必要な機材として、容量の大きい計算機(ワークステーション)を購入し、今後の研究課題に合わせて調整や拡張を行った。次年度に向け引き続き、200素子素子程度の多素子系で空間フィルターを用いてエイリアスの低減を行う際の素子配列の工夫など、発展的なシミュレーションを行うべくソフトウエアの調整を行っている。
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