2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18760051
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀井 滋 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 助教 (80323533)
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Keywords | 熱雷変換材料 / 多層膜 / 磁場配向 / 電気泳動堆積 / コバルト酸化物 |
Research Abstract |
最終年度である平成20年度では、(1)配向磁場低減(面内-面間磁気異方性の増強)のための熱電変換物質の設計、(2)新しい磁場配向法の検討について行ってきた。(1)について、4枚の岩塩ブロック層とCoO2層の積層構造を有するBi-AE-Co-O(いわゆるBi222相)系に着目し、AEサイトへのRE部分置換が磁気異方性および磁化容易軸方向に与える影響について静磁場配向および回転磁場配向から明らかにした。その結果、磁気異方性はドープしたREの2次のステイーブンス因子で定性的に説明でき、磁気異方性は重希土類ほど大きくなることがわかった。(2)について、原理的には三軸磁場配向が可能な回転変調磁場配向法をこれらの222系物質に適用した。希土類ドープさらにはBiサイトのPb部分置換により三軸の分離は進行するが、高温超伝導体の配向効果に比べて各軸の配向度はあまり高くないことが明らかとなった。ドープされるREイオンが生み出す磁気異方性はミスフィット界面に存在しREイオン周りの酸素イオンの配位は著しく低い対称性をもっていることから、これが低い磁気異方性の起源と考えられる。磁気異方性制御に好適なREイオンはある一定の制御機能は有するものの、磁場配向用物質の創製には配位子場の影響も考慮に入れる必要があることを示唆している。
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