2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18760057
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 浩基 Kyoto University, 原子炉実験所, 助教 (70391274)
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Keywords | 粒子弁別 / マルチワイヤ検出器 / 中性子計測 / 二次荷電粒子 / 個別読み出し / 中性子捕捉療法 |
Research Abstract |
本年度は得られた成果を総括し、本検出手法の適応拡大に向けた検討を実施した。これまで得られた成果は以下の通りである。平成18年度はマルチワイヤ検出素子を製作し、ゲイン均一測定及び長期安定性を確認するための耐久試験を実施し、良好な性能を有する検出素子製作に成功した。平成19年度は有感体積を拡大するために新たな圧力容器を製作した。ドリフトケージを長くし、飛程の測定範囲を広げることで有感エネルギー領域を拡大することができた。また電界計算、絶縁特性試験を実施し、電子付着が起こりにくい希ガスを選択することで、飛程及びエネルギー情報の劣化が少ないシステムを確立することができた。さらに原子力機構FNS施設において本システムの特性試験を実施した。アルミニウム薄膜ターゲットに14MeV中性子を入射することにより発生する荷電粒子の放出角(飛程)とエネルギー情報の同時測定を行い、本研究の飛程識別手法を用いることで高効率かつ精度良く二次荷電粒子を検出できることを実証した。またFNSでの実験結果より、高速中性子の二次元イメージングが取得可能であるという、新たな知見を得ることができた。申請者が所属している京都大学原子炉実験所では世界初のサイクロトロン加速器を用いた中性子捕捉療法用熱外中性子源が設置され、その治療ビームへの高速中性子成分の混入を定量することが課題とされているが、本システムの適応が可能であることを示すことができた。本研究成果を用いることで、中性子捕捉療法における高速中性子イメージングによる線量評価が可能であることが分かり、新たな研究領域に適応可能であることを確認することができた。
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Research Products
(6 results)