2007 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロ領域における塑性発熱を考慮した熱・構造連成マルチスケール解析手法の開発
Project/Area Number |
18760061
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
松井 和己 Yokohama National University, 大学院・環境情報研究院, 講師 (00377110)
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Keywords | 計算力学 / 機械材料・材料力学 |
Research Abstract |
塑性発熱を考慮した熱・構造連成マルチスケール解析手法の開発を行い,本年度は異種材料界面での熱伝達などを考慮した3次元マルチスケール解析手法を開発した. 古典的な塑性力学において塑性散逸エネルギーと評価される,塑性変形に伴うエネルギー損失が全て熱エネルギーに変換されるものと仮定して,塑性発熱に関する力学モデルを構築し,一般的な数学的均質化法の手続きに従って塑性発熱を考慮した2変数境界値問題を導出した.このような定式化を行うことで,弾塑性体に対する構造解析と非定常熱伝導解析とがエネルギー保存則を介して関連づけられ,「塑性発熱を考慮した熱・構造連成問題」を設定することが可能となった.この支配方程式を有限要素法により解析するプログラムを作成し,このような連成問題における時間項の取扱いについての検討を行うとともに,エネルギー収支や数値解の収束性の観点から作成した数値解析プログラム及び解析アルゴリズムの妥当性を確認した. さらに,ミクロ構造内部に存在する異種材料界面において,なんらかの「接触熱抵抗」が存在するものと仮定した物理モデルを構築し,マルチスケール解析の枠組みに組み入れることによって,ユニットセルの大きさに依存して巨視的な材料特性が変化する「寸法効果」を再現することが可能となった.
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