2007 Fiscal Year Annual Research Report
計算科学に現れる超大規模連立一次方程式の高速・高安定解法に関する研究
Project/Area Number |
18760063
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
曽我部 知広 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 助教 (30420368)
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Keywords | 大規模連立一次方程式 / クリロフ部分空間法 / 双共役残差法 / 数値解析 |
Research Abstract |
本研究では,我々が開発した双共役勾配(Bi-CR)法を基礎として超大規模連立一次方程式を解くための高性能な数値計算アルゴリズムを開発することを目的とし,本年度は以下の研究成果が得られた. 1.Bi-CR法の積型解法の開発 Bi-CR法の残差ベクトルに行列多項式を乗じることによりBi-CR法の更なる加速・安定化を図るための枠組み「Bi-CR法の積型解法」を提案した.この枠組みの中から3種類の解法:CRS法,Bi-CRSTAB法,そしてGPBi-CR法を導出し,それらの有効性を数値実験で検証した.この成果は,情報処理学会論文誌「コンピューティングシステム」で公表された. 2.Bi-CR法の数値的安定化 Bi-CR法に準最小残差アプローチとして知られるアイデアを適用することにより,数値的安定性を強化したアルゴリズムを開発した.この成果は,日本応用数理学会論文誌の理論部門に掲載された. 3.前処理技術の開発 Bi-CR法とその積型解法の収束性を高めることに繋がる2つの前処理技術を開発した.これら成果は,それぞれ日本応用数理学会論文誌のノート部門に掲載された. 4.その他の関連研究 特殊な連立一次方程式の解法や行列式の高速計算法を開発した.
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