2006 Fiscal Year Annual Research Report
軽水炉環境における動的ひずみ下での固液界面相互作用
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18760072
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹田 陽一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40374970)
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Keywords | 応力腐食割れ / 酸化皮膜 / 電気化学インピーダンス |
Research Abstract |
動的ひずみ付加下での酸化皮膜/合金界面近傍における内物質移動挙動に着目した酸化皮膜の電気化学的特性づけを行うことにより、軽水炉発電プラントにて経年劣化現象の代表である応力腐食割れ機構の解明を目指す。高温高圧水中(288℃、8MPa、超純水)にて動的ひずみを受ける平板試験片上に形成される酸化皮膜の接触電気抵抗ならびに電気化学インピーダンスの計測の連続計測を実施するため、計測条件の検討を実施し、作用電極切り替えシステムを試作した。電極直径は2mmとし、平均的皮膜物性を計測する。電気化学インピーダンス計測においては、超純水由来の高溶液抵抗率のため、従来の方法では正確な皮膜の評価が困難であるが、電極の位置決め機構により、対極-試験片間の距離を制御した下での計測により再現性のある結果を得ることが可能であった。計測条件最適化のため、電極間距離を変化させた場合のインピーダンス計測を実施し、等価回路を用いた解析の結果、距離が小さい場合は、対向した電極同士の平行度の影響が大きく、一方、大きくした場合は溶液抵抗が支配的となり、このため100pmに保持した場合が最も皮膜からのインピーダンスを効率よく計測可能であると考えられた。また、同条件での平板引張試験片上での別位置での比較評価が可能であることを確認した。 高温水中にて動的ひずみをあらかじめ定めたひずみ値まで付加した試験片を製作し、表面皮膜のX線光電子分光分析法(ESCA)ならびにラマン分光分析法による皮膜の組成評価を実施した。3×10^<-7>もしくは3×10^<-6>s^<-1>のひずみ速度にて高温水中にて実施し、中断ひずみは0%〜約15%とした。皮膜構造同定のため、ESCAにおいてはX線取り出し角を変化させ、深さ方向の分布を検討した。最外表面ではFeは2価もしくは2価と3価(Fe_3O_4 and/or NiFe_2O_4 and/or Fe_2O_3)、Niは2価(NiFe_2O_4かNiO)、Crは2価(Cr_2O_3)と特定された。
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