2006 Fiscal Year Annual Research Report
歯科用回転切削工具への燃焼炎法によるダイヤモンド皮膜合成とその性能評価
Project/Area Number |
18760073
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
高橋 護 秋田大学, 工学資源学部, 講師 (90261651)
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Keywords | ダイヤモンド皮膜 / 材料加工・処理 / 表面・界面物性 / 燃焼炎法 / 界面はく離 |
Research Abstract |
申請者らは,装置が簡易で,合成速度が極めて速く,凹凸面にも合成可能である燃焼炎法によるMo基板上への合成ダイヤモンド皮膜の界面はく離の抑制を考慮した3段階合成法を確立してきた。この方法を用い,歯科用回転切削工具上に界面はく離を抑制しながら接合強度が高いダイヤモンド皮膜を合成し,その性能評価を行うことを目的としている。 今年度は,W, WC表面上への燃焼炎法によるダイヤモンド皮膜の合成を行い,合成ならびに接合状況を調査した。ここで,現有設備である燃焼炎法によりダイヤモンドを合成することが可能な実験装置を用い,申請者らが確立したMo基板上でダイヤモンドを合成する3段階合成法を用いてW, WC表面上に燃焼炎法によりダイヤモンド合成を行い,その接合状況を確認した。この際,基板をMo基板からW, WC基板としたためその特性が変化し,今まで確立してきた3段階合成法の温度設定では,ダイヤモンド合成ならびに接合が難しくなった。よって,W, WC基板上で3段階合成法の温度設定を変化させ合成を行い,W, WCこ対応した3段階合成法の温度設定を検討した。また,この際表面を適度に粗くする前処理も行い,これらの影響を接合状況により検討した。さらに,合成された皮膜を秋田大学既存設備である走査型電子顕微鏡(SEM),X線回折装置(XRD)によりその結晶形状や成分等の特性を評価した。 また,歯科用回転切削工具は円筒形状を有しているため,全体に皮膜を施すことが難しい。そこで,全体にまんべんなく皮膜を施すために,回転発生用ステッピングモータと上下方向移動用ステッピングモータを用い,全体に皮膜を施すことが可能となるよう機構部分の改良を行った。
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